三原健司(フレデリック)「APOGEEからは音楽手法を学びましたね」。
アーティストたちが影響を受けてきた音楽や、100年後も誰かの心に残っていて欲しい曲をテーマにしたFMプログラム「 897 selectors」(隔週木曜日20時からInter FM897でOA中/DJ:野村雅夫)。今回のセレクターは、フレデリックの三原健司さんです。2014年のメジャーデビュー以来、着実に活動の幅を広げ、多くのファンをつかんできたフレデリック。2月20日には、2年4か月振りとなる新作「フレデリズム2」をリリース、2020年2月にはキャリア最大のキャパシティとなる横浜アリーナワンマンも決定。今回は、そのフロントマンとして絶対的存在感を放つ三原健司さんを迎え、彼の音楽のルーツ、影響を受けた楽曲、そして100年後も誰かの心に残って欲しい曲などを伺いました。
▼音楽体験の原点
◯らんちう / たま
十代の頃に出会った曲です。2007年に「イカ天」を1日だけ復活させるという特集番組があって、そこで「らんちう」を知りました。頭の中にあったバンドはこうだという教科書をビリビリに破いてくれたような衝撃で、自分が音楽やる時も自由な発想でいいんだということを考えることができました。
▼10代の頃に節目となった曲
◯Sadistic twist / サディステックミカバンド
高校生の時に弟(三原康司)と軽音部に入っていて、他と変わったことしたいねって話していたんです。中学の時に吹奏楽部でトランペットとかトロンボーンやっていた仲間もいたので、スカバンドやろうってなって。それで「Sadistic twist」を自分たちでスカアレンジしていました。
◯ゆっくりまわっていくようだ / SUPER BUTTER DOG
フレデリックを結成した頃に、どんな音楽やアーティストが好きかという話をしていたんですが、唯一共通したのがSUPER BUTTER DOGでした。みんなファンク要素が詰まった部分が好きだというのが共通していたので、だったら一度やってみよう!というのがこの曲だったんです。
▼ 音楽活動を始めてから影響を受けたアーティストや音楽
◯アヒル / APOGEE
シンセサイザーの印象的なフレーズが、イントロだけじゃなくて、サビやアウトロまで鳴り続けていて頭から離れなかったんです。それはフレデリックの楽曲手法にも繋がるのですが、APOGEEから学んだことです。あとアーティスト性のあるミュージックビデオへのこだわりも、フレデリックの主軸にもなっていきましたね。
◯ヌルイ雨 / ANATAKIKOU
ポップなメロディがありつつも、やっていることは一筋縄でいかない感じがあります。「ヌルイ雨」という表現もまっすぐじゃないですよね。少しだけ外している感じが小気味いいなと思います。一言で言い表せないけど、何度も何度も聴いていたくなります。
▼100年後も誰かの心に残っていて欲しい曲
◯ベースボールは終わらない / フジファブリック
100年後にも心に残っていて欲しい人です。いま志村正彦さんと同じ29歳になったんですけど、こんなに少年の心のままで歌える人がいるんだなって改めて思います。自分は野球やっていたわけじゃないのに、スポーツ少年だった自分を投影してくれているようです。
◯娘がねじれる時 / 井上陽水
陽水さんの名曲がたくさんある中で、この曲を見つけてしまった喜びがあります(笑)。陽水さんの作品って翳りの部分もあると思うんですが、それってどこなんだろうって思っていました。それを見つけた感が大きいです。これが井上陽水!という自分の視点もありますが、100年後に残っていて欲しいなと思います。
▼フレデリックの現在
◯スキライズム / フレデリック
今回のアルバム「フレデリズム2」では、やりたいことを全部やっちゃおうというのがコンセプトでした。ロックにしろ、ポップにしろ、ダンスミュージックにしろ、フレデリックがやれば、フレデリックが歌えば「フレデリズム」という新しいジャンルになっていくだろうという。
◯LIGHT / フレデリック
ダンス性を強めたり、EDMを取り入れたりして新しいことにも挑戦しています。でも新しいものを取り入れるだけでは、それはそれでフレデリックらしくないというか。これまでのフレデリックも大事にしつつ、新しく進化していくフレデリックを足していきたかったというのが、今回のアルバム「フレデリズム2」です。
◯夜にロックを聴いてしまったら
この曲はフレデリックにとっても、みんなにとっても、新しいスタート地点に立てる曲だなと思っています。僕の心境としては「夜にロックを聴いてしまったから音楽をはじめた」というのがあるんですけど、この曲を聴いて音楽を好きになりライブに初めて行ったとか、何か新しいことを始めることに置き換えてもらえればいいなと思います。
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